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甘味

今回は「甘味」についてご紹介いたします。

「健康のために何を食べたらいいのか?」ということは、最近では一種のブームにもなっている大きな問題です。黄な粉がいい、ココアがいい、食物繊維がいい、などと言われるたびに食事の傾向を変えて、最後にはどうしたらいいのかわからなくなるか、あるいは、要するに何でも満遍なく食べればいいんだと悟ったり…、食べるものを考えるのは本当に大変なことです。しかし、昔から「食は人を作る」といいます。だから大変でも食べ物を吟味することは必要なことです。

アーユルヴェーダでも、食べ物によって人は肉体的に成長し、健康を維持し、性格を作り、心の質も変えるということが言われております。

は「何を食べるか」を考えるときの1つのポイントとして「六味」があります。1回の食事の中で六味が入っているものがいいわけですが、1回の食事で摂れなかったら1日の食事の中で六味が入っているのが望ましいのです。

「六味」とは甘味・酸味・塩味・辛味・苦味・渋味の6つの味のことです。

この中で人が食べる量として一番多い味が「甘味」となります。食べ物を口の中に入れて初めて舌で感じる、味の甘いものです。砂糖やハチミツや、ケーキなどお菓子の甘さだけではありません。体内に入って代謝されてエネルギー源となる三大栄養素「糖質・脂質・たんぱく質」なども含まれます。

・大麦・小麦・そば・うどん・パスタ・中華麺・パンなどの穀物類、肉や魚、豆類やいも類、牛乳、チーズ、ヨーグルト、バター、生クリームなどの乳製品、ギー、ごま油、オリーブ油などの油脂類、甘い果物や、人参、かぼちゃなど甘味のある野菜類など、多くのものが「甘味」に分類されています。

「甘味は身体の構成要素を増大させ、寿命を長くし、感覚器官と心を喜ばせ、体力を増進させ、いい肌の色つやを与え、ヴァータとピッタを鎮静させ、皮膚や毛髪によく、声をよくし、満足感を与え、衰弱やけがを癒し…」と古典の中(チャラカ・サンヒター)で多くの効能が述べられています。

のように甘味の食物は人にとって欠かせない栄養素となるものですが、最近は不足するより摂りすぎの方が問題となっています。特に肥りやすいカパ体質の人はすこし少なめにするようにアーユルヴェーダでは言われています。カパ体質の人が甘味を摂りすぎると、鈍重感や倦怠感、眠気がますます増して、何をするにもおっくうになってしまいます。これは甘味が勧められるヴァータ体質やピッタ体質であっても同様のことがいえます。やはりその人の「消化力」に合わせて甘味の量を加減することが大切となります。くれぐれも消化力以上の甘味の摂りすぎには気をつけましょう。

味の取りすぎは、肥る・だるい・眠気がする・重たい感じ・消化力が落ちる・咳・便秘などさまざまな病気の原因となると古典で述べられています。
敏感な味覚を作ることにより、本当に自分にとって必要なものを美味しいと感じる味覚が育ちます。

近はいつも口を開けて呼吸をしている若者が増えていると言われています。口の中が乾燥して、唾液の分泌が少ないことで食物の味は感じにくくなります。敏感な味覚を作るためには、鼻腔を使ったいい呼吸の仕方も大切です。その他にも、食欲を感じ、敏感な味覚を作るためには適度な運動すること、適度に頭を使うこと、適度な睡眠と休養をとること、早寝早起き、規則正しい生活、ヨーガや呼吸法などなど。

あ〜あ、味わう楽しみのためにはすることがいっぱいですねぇ!

一生懸命に味のバランスを考えて健康的な食事を作ったら、あとは「六味」のことは忘れてください。食べ物の柔らかさや硬さ、温かさやひんやりとした冷たさ、喉越しの心地よさなどを味わいながら、楽しく食べましょう。最後は、理屈より「美味しいと感じる心・満足感」が健康な人を作るということを忘れないでください。