今回はギーについて紹介します。
「ギー、ごま油、肉の油脂、髄はすべての油剤の中で最も優れたものであると考えられているが、これらの中でもギーはそれ自身の力を失わずに、混合して用いられる物の潜在的な力を受容することができるために、特にすぐれている。ギーはピッタとヴァータを除去し、ラサ、精液、オージャスに有益であり、灼熱感をなくし、身体を柔軟にし、声と顔色をよくする。」
(チャラカ・サンヒター 総論編13章)
「ギーは記憶力・知力・消化力・精液・オージャス・カパ・脂肪を増大させ、ヴァータ・ピッタ・毒物・錯乱・憔悴・不幸・発熱を除去し、すべての油脂のなかで最もすぐれ、効力は冷性であり、味でも消化後の味でも甘味をもち、無数の効能をもち、多くの用い方によって無数の効果をあげる。」
(チャラカ・サンヒター 総論編 27章)
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味 :甘味
効力:冷性
ドーシャへの影響:
ヴァータとピッタを鎮静
効果効能:
精力・体力・活力・消化力を高める、体を柔軟にする、解毒作用、慢性的な熱病によい、声と顔色をよくする、疲れをとる、頭痛や耳の痛みによい
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ギーはバターを加熱して中の水分を蒸発させ、さらに沈殿したタンパク質を除去したもので、「精製バター」ともいわれます。インドの伝統的な作り方は、まず摂り立ての新鮮な牛乳を加熱して、これに乳酸菌を加えてヨーグルトを作ります。それを撹拌すると発酵バターとバターミルクができあがります。この発酵バターをしばらく煮立たせた後、沈殿物を除去してギーを作ります。
もっと簡単な方法で自分でギーを作ることもできます。鍋に無塩バターを入れて中火で溶かします。完全にバターが溶けたら少し火を弱め、そのまま加熱し続けます。初めはクリーミーな泡がファーと出てきます。やがて、その白い泡がなくなり、今度は透明なシャボン玉のような大小の泡が出てきます。この間にバターの中の余分な水分がとんでいきます。やがて、鍋底にタンパク質が沈殿していき、溶けたバターが透明な黄金色に変化してきます。こげないうちに火を止め、熱いうちに漉します。もし、焦がしてしまい少し濃い茶色になったとしても、お料理に使うなら大丈夫ですから、安心してください。ぜひ自家製のギーを作ってみてください!
「ギーはすべての油脂のなかで最もすぐれたもの」といわれますが、インドの家庭料理の油としてたくさん利用されているかといえば、そうでもなさそうです。私がインド人の女性から家庭料理を習ったときは、ほとんどサラダ油を使っていました。ただ、タンドリーチキンやナンの最後のテリや香りづけとしてギーを使っただけでした。やはりギーは特別な油のようです。私が小さい頃、バターはとても貴重品でした。祖父がときどきお土産に買ってきてくれるバターがとても楽しみでした。炊き立てのあつあつのご飯にバターをひとかけら乗せると、すぐにとろ〜と溶けます。それにすかさず醤油を垂らして食べます。他におかずは何もいりません。白いピカピカのご飯と香ばしいバターと醤油の香り。すべてのものが幸せに感じられました。あんなに美味しいバターライスは二度と味わえない気がします。

フライパンにギーを入れて溶かす。その中にクミンシードをいれてバチバチとはじけてきたら、ご飯と塩、ブラックペパーを加えてさっさと混ぜ合わせる。全体がよく混ざったら火からおろして、みじん切りにした香菜をミックスする。 (これは知る人ぞ知る、カレーの伝道師、渡辺玲氏のお勧めのレシピです。「カレーな薬膳」など)

たっぷりとギーを眼に浸す本格的なやり方もありますが、これは専門家にやってもらいましょう。自分で行なうときは溶かして冷ましたギーを眼の中に数滴垂らすという簡単なやり方があります。眼の乾燥や眼精疲労に効果があるといわれ、健康法のひとつです。週に 2回くらい行なってもいいでしょう。(ただし、明らかに眼の病気があるときは専門医にまかせましょうね)

特に乾燥して便がでにくいヴァータ性の便秘にお勧めです。牛乳を温めて、その中にギーを小さじ1くらい加えます。お好みで黒砂糖などを少量入れると美味しくなります。夜寝る 1時間くらい前に飲みます。朝の便通を改善してくれるでしょう。
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