「幸福も不幸も、肥ることも痩せることも、体力も無力も、性的能力も不能も、知恵も無知も、生きることも死ぬことも、すべて睡眠に基づいている」
「あたかもヨーガの完成によって真の悟りが現われるように、睡眠がしかるべく得られると、それは身体に幸福と長寿を与える」
チャラカ・サンヒター (1-21-36,38)
食べることと同様に、睡眠は人にとってとても重要とアーユルヴェーダでは考えています。東京ではもう何日も熱帯夜が続いています。窓をあけても生暖かい風が入ってきて、すこしも涼しく感じることができません。眠れぬ夜が続いています。私が子供のころは庭に打ち水をすると、スーっと涼しい風が吹いてきたものです。窓を開け放して寝れば、東京でも少しも暑さを感じることなく眠ることができました。むしろ夜中は涼しすぎて子供たちにとって、腹巻はなくてはならない夏の必需品でした。今都会ではクーラーは欠かせない存在です。しかし、クーラーをつけっぱなしにして寝ると、喉が痛くなったり、下痢っぽくなったり、すぐに体調が悪くなってしまいます。タイマーをかけて寝て、タイマーが切れると目が覚めて、またタイマーを入れなおす… そんなくり返しで熟睡できない人も多いかと思います。私はピッタ、夏は苦手です。
額に冷却シートを貼って寝る・保冷剤を首のうしろにくくり付けて寝る・花ござの上に寝る・冷たいシャワーを浴びて寝る・ひんやり枕とひんやりシーツを使う・氷のベッドに寝ているとイメージトレーニングして寝る・酔っぱらって寝てしまう・呼吸法をする…
みなさん、いろいろ苦労しているようです。
アーユルヴェーダでは、夏が 1 年で一番人の体力・抵抗力・消化力が弱くなる季節といいます。また夏は昼の時間が長く、夜の時間が短い。それなのに暑くて寝不足だとさらに深刻な不調になります。肌が乾燥してきて色つやが悪くなり、目に力がなくなり、食欲も減退し、体力、抵抗力がますます落ちてきます。ちょっとしたことで疲れたり、苛立ったり、だるくなったり。だから、健康な人は昼寝をしないほうがいいとするアーユルヴェーダでも、夏だけは昼寝が解禁になります。夏の間だけ、睡眠不足なら軽く昼寝をすることは許されます。ちょっとだけ仮眠するのは健康にいいことになります。ただし、ソファーでゆったり寝たり、本格的に横になってグッスリ寝ることは、体内にカパドーシャが増えて、目覚めたときよけいに身体が重たく、だるく感じるようになってしまいます。また、昼食後に昼寝をすることはお勧めできません。お腹が一杯になると人はちょっと眠たくなるものですが、そのときは昼寝にふさわしい時間帯ではありません。昼食をとる前に寝たほうがいいのです。また、昼寝は子供や年取った人、妊婦さん、病人など体力がない人にはいいといわれています。
夏だけは昼寝はよしとしますが、もちろん夜の間にまとめて充分な睡眠をとることのほうが健康にはいいリズムになります。寝入りばなの 3 時間をぐっと気持ちよく寝るように工夫しましょう。
寝室にはパソコンやテレビ、電話を置かない寝るためだけの空間にする、寝室の温度湿度を快適に設定する、カーテンや寝具は涼しげな色彩で統一する、雑音を少なくする、眠りを誘う音楽をかける、枕の高さを調整する、ベッドの位置を変えてみる、寝巻きの素材を涼しい素材に変えてみる…など、寝室の中の雰囲気だけでもいろいろ工夫ができそうです。同様に夏の食事のしかた、夏の運動のしかた、夏の入浴法など、自分にあった快眠法がきっと見つかるでしょう。
でも、あまり考えすぎて眠れなくなりませんように。
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