アーユルヴェーダには「ディナチャルヤー」といわれる「一日の過ごし方」があります。
その中で「人は毎日体力の半分程度の運動をするべきである」といわれています。毎日仕事のために忙しく体を動かしている人にとっては、運動はもう十分だと思うかもしれません。でも、アーユルヴェーダでは本当の意味で「体を強健にし、体力を高めるような身体的な動き」は、やむを得ず体を動かす仕事の動きとは、また別物と考えています。
体を酷使し、その結果心身ともに消耗させてしまうようなものは、アーユルヴェーダでは運動とは考えません。ですから自分の好きなものを、無理しないで、楽しんでやる必要があります。「我慢」「忍耐」「根性」「鍛錬」「試練」などの暗いイメージで行うものは、精神を鍛える助けになるかもしれませんが、体の健康のためにはよいものではありません。ただし、リハビリで行う運動は医師の管理のもとに、健康増進のためにやるものですから、その限りではありませんよ。
運動は楽しんで行うべきものです。スポーツといわれるものには観戦して楽しむものと自分が行うものがあります。また外で行うものと室内で行うもの、器具を使うものと器具を使わないもの、グループでするものと 1 人でするもの、などいろいろな分類ができます。運動の種類も現在では豊富になりました。新しいスポーツもできつつあるようです。楽しんで体を動かすのであれば、ブーメランや凧揚げなども運動といえるでしょう。いろいろな選択肢がありますので、自分が好きなものを探すのは楽しみです。苦手なものを嫌々やっていた体育の授業と違って、自分に合った、楽しい運動は大人になってから結構見つかるものです。そして、 1 種類だけ、一生長続きするものと考えなくてもいいのではないでしょうか。その人の好み、体力、年齢、状況、季節などに応じて臨機応変に選ぶのもよいと思います。1つの動きに体はすぐ慣れてしまうので、ときどきちょっと違った動きをするほうが、いろいろな筋肉や神経を使いますので、覚えこむまで頭も使い、いい刺激になるようです。
頭を使う人はそれだけでかなりエネルギーを使うために消耗します。そのような人にとっては十分な休養のほうが必要ですが、頭の疲れは体を動かすことによって解消されるのも事実です。緑豊かで静かな公園を仕事のことは忘れて、ゆっくりと歩くのもいいでしょう。
接客業など体と神経を使う人は朝早く、または夜の時間にヨーガをするのもいいでしょう。テレビや電話、パソコンなどのない静かな部屋で、自分自身と向き合うのは最高に気持ちが落ち着きます。体もゆったりとくつろぎ、消耗しきった体の底から本来の自分、本来の自然治癒力がわきあがってくる感じがすることでしょう。
いつも 1 人で過ごしているような人は、ジムに出かけてみたり、朝のラジオ体操などに参加するのもお勧めです。たくさんの人の顔をみることはいい脳の活性化になりますし、ひと言でもお互いに声を掛け合えば、気分も明るくなります。自分が求めればラジオ体操からでも人との輪は広がっていくものです。いろいろな出会いは人生の楽しみの1つです。
家にいるのが好き、だから運動も家の中でやりたいという人は、家事を楽しんでやればいいでしょう。モップ拭きを止めて雑巾がけをせっせとするのはいかがでしょうか。雑巾掛けといっても工夫次第でいろいろな方法が考えられます。雑巾を絞るという動作は結構たくさんの筋肉を使う作業です。指先や手首、腕、肩を使うだけでなく、背中や腹筋にまで力を入れて行うこともできます。「だんご絞り」が筋肉の衰えを防ぐという記事を読んだことがあります。「昔取ったきねづか」砂場で遊んだ、あの泥だんごの要領です。
人は健康のために運動をすべきです。食事や睡眠を毎日とらなければならないように、運動も毎日するのが理想です。運動をするために仕事をセーブする、運動をするために時間を作る、それくらい積極的にとり入れる努力をすべき価値のあるものです。
春のカパが悪化する季節の前に、さあ!また運動を始めましょう。
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