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カティバスティ

今回は「カティバスティ」についてご紹介いたします。

「カティ」とは腰のこと。バスティは「溜める」とか「滋養を与える」などの意味があるようです。

ですから、カティバスティとは「腰にオイルを保留して行なわれるアーユルヴェーダのユニークな施術法の1つで、それは腰を柔軟に、そして強靭にし、痛みを緩和する健康法である」というわけです。

アーユルヴェーダを知っている人が増えてきている現在は、そんな長ったらしい説明より「カティバスティ」と言ったほうが、はっきりと脳裏に映像が浮かんでくるかもしれません。

 

おそらく腰の痛みは人類が直立二足歩行を始めたときからの長いお付き合いがありそうです。四つんばいになって背骨から内臓をぶら下げて移動する生活であったら、背骨に均等に重みがかかって、さほど一か所を酷使することもなかったでしょう。直立二足歩行になって、頭脳が発達して、その大きな頭をきゃしゃな背骨で支える生活を始めたとき、人類が「知性」と引きかえに手に入れたものが「腰痛」といえそうです。パソコンの前での座ったままの姿勢が長くなり、金銭・人間関係などのストレスも数知れず、車・電車・バスなどで歩くことも少なくなり、運動する時間もない、運動する余力もない、美食の生活、どれをとっても腰にいい環境とはいえません。腰が重い・腰が折れる・腰がくだける・腰が引ける・腰がぬける生活ばかりです。

 

「カティバスティについてこれから説明しよう。これは腰の上にブラックグラムや小麦粉の生地で土手を作り、その中にオイルを保留する方法である。このカティバスティは、特に筋肉の痙攣や腰椎の硬直に有益であり、腰の骨組織を丈夫にする。カティバスティにはニルグンディ、デーヴァダール、トウゴマの根などの薬用オイルが使われる」 

(参考文献「浄化療法とアーユルヴェーダマッサージ」たにぐち書店)

 

アーユルヴェーダでは体の1部分にオイルを保留する方法は昔から行なわれてきました。腰部だけに限らず、必要に応じて胸部・下腹部・頭・目などの上、耳や膣の中などいろいろな箇所にオイルを保留することができます。インドでは豆の粉や皮など、身近な自然の中にあるものを利用して、土手を作っていたようですが、現在私たちは手に入りやすいこともあり、粘り気のある(腰の強い!)強力粉を使って土手を作ります。その中に適当な温度の薬用油を一定時間保留しておきます。熱すぎればやけどの原因にもなりますし、低すぎても効果は少ないというわけで、その人の体質や体力、慣れなどを考慮して、セラピストは慎重に行なわなければなりません。

アーユルヴェーダでは冷えも腰痛も、ともにヴァータの増悪の問題と考えます。現代でも冷えと腰痛の関連性はいわれていることです。「冷えは痛みの元」というわけで、冷えると血液の循環が悪くなって、栄養補給や老廃物の排泄など新陳代謝が低下し、自律神経のバランスが乱れ、筋肉が硬直して、その結果痛みとなり、私たちを苦しめるというものです。ヴァータの問題となれば、アーユルヴェーダではたくさんの方法が考えられます。食事の仕方・ライフスタイル・ハーブなど治療法に関して、私たちが「起きてから寝るまで」に注意すべきことや、積極的に行なうべきことなどが詳しく述べられています。アーユルヴェーダに興味が尽きないのはそんな情報量の多さにあります。

「カティバスティ」は油脂を使う・温めるという方法から考えて、冷えや腰の痛みのヴァータの問題を解消するには、とてもよい方法といえます。腰痛の原因が他の病気にあれば、それをまず第一に治療することはアーユルヴェーダではいわれることですが、生活習慣から生じた慢性の腰痛にはいいものです。しかし、カティバスティで痛みが一時的に緩和されても、1回だけで完全に痛みの原因がなくなるというものではありません。カティバスティを連続して数回は受けると同時に、冷たいものを飲食しないなどの冷え対策・疲れすぎないようにする・適度な運動やヨーガをする・ストレスをためないなど、日々の生活の中で腰痛にならないような生活を心掛けることが大切です。

腰痛に悩んでいる方、カティバスティと日々の生活法を改善して、しっかりと腰のすわった人になってくださいませ。

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