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苦味

今回は「苦味」について考えてみたいと思います。

甘味」と「渋味」については前に「健康一口メモ」に載せました。

「甘い味」はご飯などの主食になる穀物の味であり、中心的なおかずとなる肉や魚、油類、また付け合せになる多くのものが甘い味に含まれます。人の食事の主役となり、たくさん食べて欲しいから自然の計らいで美味しく感じる味を、甘い味にしているのかもしれません。

「日本人は知っている。美味しいものは甘い。」とどこかのお茶の宣伝にもあるくらい、現代の人気の食品は、見た目に綺麗で、柔らかく、食べやすく、口当たりのよい、甘いものが多くなっている気がします。「昔のおせんべいはこんなに甘くはなかった!」と辛党の私はいつも不満に感じています。甘い味ばかり美味しいと思って食べていると、片寄った栄養バランスになります。アーユルヴェーダでいう味のバランスを崩してしまいます。

「渋い味」は緑黄色野菜や淡色野菜、豆や果物など脇役的存在の多くに含まれて、深い味わいを演出しています。また、ちょっとの渋味があるから甘味も引き立つようです。引き立て役はいつも渋い!

さて、「苦い味」はやはり誰でも好んで積極的に取り入れたいと思う味ではないようです。苦い味のものを赤ちゃんの口に入れると、いかにも「食えたものではない !!! 」という様子でベロッと舌を出します。正直言って、苦い味はまずい・苦い味は危険な味・苦い味は食べない方がいいよ、と警告してくれる味と感じられるかもしれません。でも、毒も使いようによっては薬となることがある通り、苦い味は人にとっても大切な味なのです。テレビや雑誌などの宣伝だけで美味しい、まずいと判断したり、経験だけで好きだ、嫌いだと、食物を選ぶのはやめたほうがよさそうです。

アーユルヴェーダで推薦するスパイスの多くに「苦味」があるように、古今東西、自然の薬草には苦い味のものが多くあります。健康食品といわれるものに苦い味が多いのも道理かもしれません。苦いものを食べると「グヘ〜  (>_<) 」と、どんな美人でもひどい顔になります。それと同じように胃の形も (>_<) 〜としぼれているといいます。それが胃のいい刺激になり、胃酸の分泌もよくなるとか。そういえば、胃薬はやはり苦い味でした!

「苦味は、それ自体はよい味を与えるものではないが、味覚不良をなくし、毒を制し、寄生虫を除去し、失神・灼熱感・痒み・皮膚の難病・渇きを鎮静し、皮膚と肉組織を強健にし、発熱をおさえ、消化力を促進し、母乳を浄化し、削り取る働きをし・・・。その属性は乾性・冷性・軽性である。」

               チャラカ・サンヒター  (1-26-43 〜 )

現代の子どもは味覚オンチが多くなっていると聞きます。「苦味は味覚不良をなくし」とアーユルヴェーダの古典にも言われているので、子どもでも苦い味の野菜などを少しは食べさせたいものです。

アトピー性皮膚炎に悩んでいる人は、ライフスタイル、特に食生活を振り返ってみる必要がありそうです。そして、苦味をとっているかを考えてみてください。

苦味の食物はフキノトウ、タラの芽など春の野菜の多くにあります。セロリ、キャベツ、春菊、ピーマン、ニガウリ、アロエ、グレープフルーツ、・・・

よく味わって、苦い味の食物を探してみてください。

ただし、「その属性は乾性・冷性・軽性である」と古典にあるように、苦い味ばかり食べていると、同じ性質を多くもつヴァータを増悪しますので摂り過ぎには注意が必要です。

疲れて、やせ細って、体力がない人が、薬だと思って無理して取り入れるべきものではありません。

「苦い経験も人生には必要」です。でもあまり多くない方がいいに決まっていますものね。

 

 
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